<金口木舌>「次のチャンスがある」


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 新型コロナウイルスの感染拡大で外出自粛が求められる中、DVDや動画配信サービスで自宅で映画を楽しむ人が増えている。名作を鑑賞するいい機会かもしれない

▼2014年に制作された「グローリー 明日への行進」はアラバマ州で人種差別への抗議運動に力を入れたキング牧師に焦点を当てる。白人至上主義者らの襲撃を受けながらも、次の時代への希望を捨てず、公民権運動は拡大した
▼この映画で人種隔離政策を掲げた州知事の役を切望するも、オーディションで落とされた名優がいる。アカデミー賞主演男優賞の受賞歴のあるロバート・デ・ニーロさん
▼確たる地位を築いても「拒絶」を経験するのかと驚く。15年にニューヨーク大学芸術学部の卒業式のスピーチでデ・ニーロさんは自身の経験を交えながら「もし採用されなかったら?」の言葉の後、「ネクスト!次のチャンスがある」と若者たちを鼓舞した
▼21年度の県立高校の推薦入試の結果が発表された。倍率は最も高かった球陽理数科の2・79倍をはじめ、向陽や那覇国際、普天間高などの人気学科は2倍を超えた
▼合格が決まり希望に胸を膨らませる生徒がいる一方、不合格の通知を受けた生徒もいる。本人だけでなく全力でサポートした家族や学校、塾などの落胆を想像すると胸が痛む。3月の一般入試に向け顔を上げてほしい。「次がある」