<金口木舌>コロナ禍のサラ川笑いに救われる


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 昨年4月から6月にかけて、本紙1面に「新型コロナ対策標語」を毎日掲載した。きっかけは読者からの電話だった。「新聞社として感染防止の啓発をしてほしい。標語を載せてはどうか」

▼その日のデスク会議で即採用され「明日からやろう」とスタートした。「命と経済守るのは、一人一人の心掛け」「さわらないで 目鼻口は要注意」など掲載本数は合計60本に上った
▼「コロナ禍やむまで 飲み会我慢」を載せた時、ここまで我慢が続くとは思ってもみなかった。「やーぐまい(家に閉じこもる)こそが防衛策」「大丈夫 心配ないは ちゃーんならん(どうにもならない)」。うちなーぐちも好評だった
▼生命保険会社が毎年募集するサラリーマン川柳を読み、標語を思い出した。今年は新型コロナに関する作品が目立った。「10万円 見る事もなく 妻のもの」「副業で 出前届ける 部下の家」
▼今年もサラリーマンの悲哀がこもり、くすっと笑える秀作がそろった。「我が部署は 次世代おらず 5爺(ファイブジイ)」など、自粛下で日常を笑い飛ばす川柳にほっとする
▼感染者の県内初確認から1年余。本紙の標語掲載は終わったが、コロナ禍は今も続く。きょうからワクチン接種が始まる。来年の今頃は、マスクなしで笑い合いたい。そんな願いを込めて新作を一つ。「まだ我慢 その先にある 皆の笑顔」