1人の骨の数は、誕生した直後が306個ほどで、成長に伴い結合して成人が206個ほどになる。赤ん坊の前頭部には「大泉門」と呼ばれるへこみがあり、頭蓋骨の骨と骨がくっついていないことが分かる
▼戦争に奪われた尊い命を思い、遺骨を今も探す人たちがいる。地上戦で多くの命が奪われた沖縄の地では、今も遺骨収集が続く。シベリアやハワイなどの抑留地でも探す活動もあり、行方が分からないままの人がいる
▼遺骨収集ボランティアの具志堅隆松さん(67)は1人の骨の数に触れた上で強調した。「時間の経過とともに骨は崩れる。指や子どもの骨は小さく、どうしても見逃してしまう」
▼沖縄戦戦没者の遺骨が多く見つかってきた糸満市米須で、土砂採掘が予定されている。業者は辺野古新基地への参入の意思を示す。遺骨が混じらない地層から使用する考えだが、具志堅さんは懐疑的な見方だ
▼措置命令権がある県に採掘への中止を出すことを求め、具志堅さんは1日から6日まで、県庁前でハンガーストライキをした。支援の集会が県内外で開かれ、賛同は広がりを見せた
▼2016年施行の戦没者遺骨収集推進法は、遺骨収集を「国の責務」と明記したが、政府は土砂を軍事基地建設に用いるのか。玉城デニー知事はどう判断するのか。その結果次第で、戦没者は二度、殺されることになる。