<金口木舌>地域の民主主義を守るには


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 世の中に「先生」と呼ばれる職業がいくつかある。代表的なのは教師と医師と議員だ。学校で教師から学び、医師は病院で健康状態などを確認する。では、どこに行けば議員に会えるのか

▼議員の主な仕事場は議場だ。定期的に開かれる議会で予算や政策など行政の在り方をチェックする。幅広いテーマで質問もして、地域をよくするため住民の声を行政に届ける
▼大宜味村では旧議会棟が図書室に生まれ変わった。議場の内装を生かし、議員席だった机で読書ができる。字誌など村関係の資料も豊富で地域を深く学べる
▼最近は地方議員のなり手不足や選挙の投票率低下が課題となる。この先、民主主義を守るために何が必要か。大宜味村のように議会を身近に感じる場所があれば、現状を変えることもできるはずだ
▼私たちが地域を知ることも大切だ。図書館などで歴史を学び、現在の課題を確認すれば、議員や首長に何を託すか考えるきっかけができる。自分の住む地域を深く掘り下げて愛着を持つことも、民主主義を守る一つの手段になる。