<金口木舌>「猫の目のような」とはまさにこ・・・


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 「猫の目のような」とはまさにこういうことを言うのだろう。史上初の米朝首脳会談の発表から一転、トランプ米大統領の突如の中止通告、さらにその後の再始動と、日々更新されるニュースにそう思う

▼訪中後の金正恩朝鮮労働党委員長のコメントが気に入らないと、いったんは中止通告したトランプ大統領。高めの球を投げても、打ち返してくるとの自信があったか。これがトランプ流外交交渉術
▼沖縄返還時の日米交渉を描いたNHKドラマ「返還交渉人 いつか、沖縄を取り戻す」が劇場版となって6月から公開される。対米交渉の現場責任者で、米側に強い姿勢で臨んだ外交官・千葉一夫氏を描いている。那覇市の桜坂劇場でも7月から上映される
▼アジア・太平洋戦争時に海軍兵だった千葉氏は、米軍の沖縄上陸作戦で民間人を狙ったと思われる艦砲射撃の通信を傍受した。その体験もあってか、外務省入省時に「僕は沖縄を取り戻したい」と語った
▼千葉氏の意志とは裏腹に、上司の吉野文六アメリカ局長は、米側が負うべき財政負担を日本が肩代わりする密約を結んだ。何を失って何を得たのか
▼千葉氏は基地の3割削減という高い球を投げたが達成できなかった。思いやり予算に辺野古新基地建設の強行と、復帰から46年がたつ沖縄を千葉氏はどう見るだろう。今の日本の外交に「沖縄を取り戻す」はあるのか。