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「特定重要拠点」沖縄は最多12カ所 政府、防衛強化で選定へ 空港や港湾


「特定重要拠点」沖縄は最多12カ所 政府、防衛強化で選定へ 空港や港湾  首相官邸
この記事を書いた人 Avatar photo 共同通信社

 政府が防衛力強化の一環として、有事の際に自衛隊や海上保安庁が行う部隊展開や国民保護活動に備えて整備する「特定重要拠点空港・港湾」について、当面の候補に北海道や沖縄など9道県の32カ所を選んだことが分かった。近く関係閣僚会議を開き、調整状況を確認する。今後、追加選定により40カ所を超える可能性がある。関係者が12日、明らかにした。

 政府は既に地元自治体への説明や協力要請を進めているものの、全体状況は公表していない。

 空港や港湾といった公共インフラの整備は、昨年12月策定の国家安全保障戦略に明記された防衛力強化を補完する4分野の一つ。有事の利用に向け、自衛隊と海保のニーズに基づいて政府横断で調整を進めている。

 関係者によると、32カ所は北海道、福井、香川、高知、福岡、長崎、熊本、鹿児島、沖縄の9道県の計13空港、19港湾。南西諸島防衛を想定して西日本が大半を占め、自衛隊部隊が多く配置されている北海道が続いた。

 最多の沖縄は与那国、宮古、久米島など7空港と石垣、那覇など5港湾の計12施設。北海道は釧路空港と、留萌、室蘭など5港湾とした。九州や四国の施設は、補給への活用も見込まれる。福井の敦賀港は、周辺に多く立地する原発の防護も念頭にあるとみられる。

 候補のうち、自衛隊や海保による普段からの円滑な利用に合意できた施設は「特定重要拠点」に指定され、2024年度以降に事業化される方向だ。空港では戦闘機や輸送機などの離着陸に向けて、滑走路の延伸や駐機場の整備を実施。港湾は輸送艦や護衛艦といった大型艦が接岸できるよう、岸壁の整備や海底の掘り下げを進める。

(共同通信)