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「目標果たした」 逢崎遊さん授賞式で喜び 小説すばる新人賞 沖縄・豊見城出身


「目標果たした」 逢崎遊さん授賞式で喜び 小説すばる新人賞 沖縄・豊見城出身 小説すばる新人賞を贈られた逢崎遊さん=17日、東京都千代田区の帝国ホテル
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 【東京】集英社のすばる文学賞など出版四賞の贈賞式が17日、千代田区の帝国ホテルであった。このうち第36回小説すばる新人賞を受賞した逢崎遊(あいざきゆう)さん(25)=神奈川県在住=へ賞状などが贈られた。豊見城市出身の逢崎さんは18歳の頃に同新人賞に初めて応募し、今回やっと念願がかなったことに「とてもうれしい」と喜びを語った。

 贈賞式を前に逢崎さんは、18歳の初応募で最終選考に残った約6年前の選評を読み返したという。この日のあいさつでは、選考委員だった北方謙三さんの言葉を引用し「私は待っていると書いてくださったことが印象強く心に残っている。まずはお待たせいたしましたと、この舞台で口にするのが一つの大きな目標だった」と述べた。

 逢崎さんは「正しき地図の裏側より(『遡上(そじょう)の魚』改題)」で同新人賞に選ばれた。応募総数は1150編だった。

 贈賞式で選考委員の朝井リョウさんは「心に残るシーンがさりげなく小説に差し込まれ、人間の深いところをつかんでいるような視点を感じた」などと作品を評価した。同新人賞には小説「我拶(がさつ)もん」を著した神尾水無子さんも同時受賞した。

 (斎藤学)