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技芸の厚みで魅了 若柳美之介、3年ぶり公演


技芸の厚みで魅了 若柳美之介、3年ぶり公演 「秋の色種」を舞う若柳美之介=1月21日、浦添市の国立劇場おきなわ
この記事を書いた人 Avatar photo 田吹 遥子

 日本舞踊の「美之介公演」が1月21日、浦添市の国立劇場おきなわであった。公演は3年ぶり。若美会会主の若柳美之介を筆頭に、門下生らの優美な踊りが観客を魅了した。

 幕開けの「秋の色種(いろくさ)」で会主の美之介が登場。次々と変わる振りをこなしながら、しなやかに舞った。祝儀舞踊の「松のみどり」は、名原洋美がりりしく披露した。浦島太郎の物語を表現した長唄「浦島」は、若柳竜馬が踊った。波の動きのようにゆらめく扇の使いや、玉手箱を開けた後の老人の動きなど、巧みな表現に引きつけられた。

 古典を披露した第1部に続いて第2部は端唄歌謡などを披露した。柳橋亜結の小曲「寿」は振りの一つ一つがつややかで、うっとりとさせた。第3部は美空ひばりの曲などを中心に展開。フィナーレの「常磐炭坑節」では美之介と若柳愛美、若柳寿々歌が、軽やかな舞を披露した。

 美之介が積み重ねた技芸の厚みと豊かさと、弟子たちの心意気も感じる温かな公演だった。

 (田吹遥子)