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貴重な生原稿じかに 体験型、物語に感情移入 <キングダム展 沖縄へ―その魅力に迫る>2


貴重な生原稿じかに 体験型、物語に感情移入 <キングダム展 沖縄へ―その魅力に迫る>2 描きおろしイラスト (C)原泰久/集英社 ※画像は描きおろしイラストを一部トリミングしたものです
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 これは本当にすごいことである。集英社の週刊ヤングジャンプにて2006年9号より連載中で、コミックス70巻発売を持って青年誌史上初のコミックス累計発行部数1億冊を超えた作品「キングダム」の原画展が沖縄で開催されているのだ。その名も「キングダム展―信―沖縄会場」。もう一度言いたい。「キングダム」の貴重な生原稿が海を渡り、ここ沖縄でじかに見られるのだ。

 「キングダム展―信―」とは何なのか。すでに東京、福岡、名古屋、大阪、宮城、金沢と巡回し、沖縄会場が最終開催地となった。実のところ私は福岡と東京、名古屋と合わせて計6回足を運んでいる。そこで私が感じたキングダム展の魅力を三つ述べたいと思う。

(C)原泰久/集英社

 まず、一つ目は原作者原泰久氏が配置、構成に至るまで全て監修しているということ。生原稿を飾る額に至るまで自ら決める徹底ぶりだ。

 二つ目は鑑賞型ではなく体感型だということ。約400枚の直筆生原稿と今回のために描きおろした原画の数々がここぞという位置に配置され、主人公(信)の物語に感情移入できる仕組みになっている。今までの開催地では立ち止まり涙するファンを何度も見かけている。

 三つ目は一定期間で一部、展示される原画が変わることや曜日によってイベントが開催されるなど変化型の展覧会になっていること。毎週金曜日に開かれる山の民ナイトや、沖縄で初めて展示される原画もある。まだまだ語り足りないが、キングダムを知らない方も物語を最高の環境で体感してもらえると思う。ぜひ一度足を運んでほしい。

 (「キングダム展―信―沖縄会場」応援団長)


 くさかべ・なおき 福岡県出身、沖縄在住。幼少から絵が好きで学生時代はプロを目指すも断念。ものを作ることが諦めきれず料理の世界へ転身。独自の感性を生かし、飲食店のプロデュースを100店舗以上手がける。キングダムの大ファンで、今回のキングダム展を沖縄に誘致した。


 「キングダム展―信―沖縄会場」は5月12日まで那覇市の県立博物館・美術館で開催中。当日券は一般1500円、高校・大学生千円、小・中学生500円。問い合わせは同館、電話098(941)8200。