有料

レジや接客研修「VR」で イオン琉球 指導側の負担減、新入社員「楽しく学べ、自信持てた」


レジや接客研修「VR」で イオン琉球 指導側の負担減、新入社員「楽しく学べ、自信持てた」 VRを活用した従業員教育の様子(提供)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 イオン琉球(沖縄県南風原町、鯉渕豊太郎社長)は全従業員約5千人を対象に、県内のイオン、イオンスタイル、マックスバリュなど全60店舗でVR(バーチャル・リアリティー)を活用した従業員教育を6月から実施している。全店舗でのVR導入は県内小売業では初。

 多様な業務に対応する1千以上のコンテンツをイオンリテールと共同制作した。ゴーグル内で再現された仮想現実の店舗内で実際に店舗でのレジ操作や接客対応などの業務を経験できるため、OJT(仕事を通じた職業訓練)が可能となった。VRの事業活用をサポートする制作配信プラットフォーム「InstaVR」を導入し、実際の機器がなくてもVR上でレジ操作を体験し、調理や陳列といった手順を学ぶことが可能になった。

 8日にメディア向けに公開された実演では、8月に入社した社員らがレジを操作する手順を体験した。VRを導入したことで入社日時にかかわらず随時、個別に業務について学ぶことができるようになったため、指導者側の業務時間を平均1カ月当たり約40時間削減することができた。

 同社は各エリアに合計27台を配置し、新入社員を中心とした技術向上に役立てている。実証実験では約9割が「作業手順の理解が深まる」「楽しく学べる」と回答した。

 同社管理本部人事教育部の山里千春部長は「これまでは担当部署の社員が付きっきりで指導していた。VR導入で指導者の業務時間削減と従業員の技術レベルの標準化を目指せる」と期待を示した。

 VR教育を体験したザ・ビッグエクスプレス西原店の新入社員米須優輝さん(22)は「初体験だったが楽しく学べた。現場に出る前に基本的な手順を理解でき、自信が持てた」と述べた。

 (普天間伊織)