prime

【社長一問一答】サンエー過去最高 中間決算 コロナ後ニーズ変化?今の売れ筋、アプリ効果、新都心に新店舗?


【社長一問一答】サンエー過去最高 中間決算 コロナ後ニーズ変化?今の売れ筋、アプリ効果、新都心に新店舗?
この記事を書いた人 Avatar photo 普天間 伊織

 サンエー(宜野湾市、新城健太郎社長)は5日、2023年8月中間連結決算を発表した。売上高とテナント収入などを合わせた営業収益は前年同期比7・5%増の1148億5千万円だった。経常利益は同48・5%増の86億3400万円で3期連続の増収増益だった。純利益は同46・9%増の56億800万円、営業利益は同50・3%増の84億4600万円だった。営業収益、営業利益、経常利益、純利益のいずれも過去最高を更新した。

 新型コロナの5類移行による外出需要の回復や入域観光客数の増加、物価上昇に伴う単価の上昇などにより売上総利益は同8・5%増の335億400万円となった。

 支出は光熱費の高騰が想定を下回ったことで販売管理費を抑制できた。

 部門別(既存店ベース)では売り上げの6割を占める食品が同8・5%増の664億4700万円、家電やドラッグストアなどの住居関連用品が同3・6%増の308億9600万円、衣料品が同0・2%増の62億200万円、外食が同19・9%増の44億8700万円だった。利益率の高い外食の売り上げが伸びたことで、粗利率は0・4ポイント増の31・6%に上昇した。

 観光客増加などにより、直営のコンビニエンスストア2店舗の売り上げも同22・7%増の1億8900万円となった。

 (普天間伊織)


新城社長 一問一答:来客数、全店舗で増加

 サンエーが5日に発表した中間連結決算は、新型コロナの5類移行による外出需要の回復や入域観光客数の増加、物価上昇に伴う単価の上昇などにより増収増益となり、営業収益などで過去最高を更新した。新城健太郎社長の一問一答は以下の通り。

決算を発表するサンエーの新城健太郎社長=5日、浦添市のサンエー浦添西海岸パルコシティ

 ―決算の受け止めは。

 「予想以上に良かった。LEDなどの切り替えにより水道光熱費が昨年より抑えられた。コロナ時期に苦戦した外食の復調も大きかった」

 ―コロナ前と比べ消費者の購買意欲に変化は。

 「コロナ禍では感染対策としてまとめ買いをする傾向があったが、5類移行してからは一回の買い物の金額は減っているが来客数が全店舗で増加した。総菜や冷凍食品、味付け商材など付加価値がある商品が売り上げを伸ばしている。原材料費が高騰する中で、割安感が大きく、テイクアウトの需要が引き続き高いことが要因ではないか」

 ―大型台風の影響は。

 「8月の大型台風では店舗の停電や臨時休業など大きな影響を受けたが、事前の買いだめなどのいわゆる『台風特需』もあり、全体的にはプラスマイナスゼロだった。ただし衣料品などは前年同月を割り込んだ」

 ―仕入価格高騰の影響は。

 「物価高騰や円安などにより値上げする商品も増えているが、販促強化や特売などで消費者に受け入れられるよう工夫している。PB商品の『くらしモア』は価格を据え置いており、売り上げも好調だ。電子チラシやアプリで発行するクーポンも大きな効果を発揮している。公式アプリのダウンロード数は昨年同時期の16万から25万まで増えた」

 ―人件費について。

 「21日にパートナーアルバイトの時給を30円上げ1千円とする。社員の給料も上げ、人材投資を積極的に進める」

 ―今後の展開は。

 「那覇市銘苅の佐川急便浦添営業所跡地に食品館とドラッグストアを併設した新店舗を再来年オープンする予定だ。サイバーセキュリティー対策などDX投資にも力を入れる」