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どうなる県民の足 バス「減便」、さらなる拡大の恐れも 迫る「2024年問題」 沖縄


どうなる県民の足 バス「減便」、さらなる拡大の恐れも 迫る「2024年問題」 沖縄 減便となる琉球バスと沖縄バスが共同運行する89番(糸満線)=6日、那覇市内
この記事を書いた人 Avatar photo 謝花 史哲

 沖縄県内路線バスの縮小が続いている。9月に東陽バスが6路線で減便したのに続き、琉球バスと沖縄バスは共同運行する10路線で減便を決めた。この間、那覇バスも一部路線を見直した。東陽バスと沖縄バスは人手不足が大きな要因。那覇バスなどは乗客数の減少から効率化を図る狙いもある。労働時間規制の「2024年問題」が迫る中、今後も県内の路線バス各社で減便や最終便の繰り上げなどが拡大する可能性がある。

 琉球バスと沖縄バスが共同運行するのは全12路線で、うち10路線で16日から減便、2路線で本数は維持しつつ運行時間が変更される。

 1往復を1本として平日運行をみると、北部系統は65、66番(本部半島線)7本、67番(辺土名線)6本、70番(備瀬線)2本、72番(屋我地線)1本がそれぞれ減便となる。20番(名護西線)は2・5本、120番(名護西線)7・5本が減る。そのほか中部を走る28番(読谷線・楚辺)が23本、29番(読谷線・喜名)2本、228番(読谷おもろまち線)1本、南部をつなぐ89番(糸満線)21本が減少する。土・日・祝日ダイヤも変更する。

 72番(屋我地線)と78番(名護東部線)は沖縄バスが運行を休止。琉球バスの単独運行に切り替える。

 沖縄バスの担当者は「なり手を見つけることが難しく、琉球バス社に相談し全体的に見直す時期にあるとの見解で一致した」と説明。琉球バスの担当者も「コロナ前の利用状況に戻っていない。現状に合わせる必要があると判断した」と話した。

 バス業界でも労働時間規制の「2024年問題」が適用され、法改正により来年4月から乗務員の稼働時間が現行より短くなる見通しで、ますます人繰りが難しくなる懸念が強まっている。

 沖縄バスは、今回の減便が「2024年問題」に向けた対応の一つと説明した上で「今後、単独路線についても見直していかないといけないだろう」と述べた。

 (謝花史哲)