RACの離島路線が9%値上げへ 県が補助増額で利用者負担は変わらず 宮古ー石垣だけは590円の値上げ


RACの離島路線が9%値上げへ 県が補助増額で利用者負担は変わらず 宮古ー石垣だけは590円の値上げ 琉球エアーコミューターの使用機材(資料写真)
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 琉球エアーコミューター(RAC)は、物価高騰や為替の影響を受け、11月から8路線の運賃を平均9%値上げする。玉城デニー知事は利用者の支援策として20日、一括交付金を活用して離島船賃や航空運賃を低減する「沖縄離島住民等交通コスト負担軽減事業」(離島割)で値上げ分を全額補助することを発表した。宮古-石垣の路線を除く7路線の運賃は維持される。

 宮古-石垣の路線については「中小規模離島」に該当しないとして、値上げ分の補助は引き続き一部にとどまるため、片道6100円から6690円となり、590円の値上げとなる。

 県が値上げ分を全て補助するのは①那覇-久米島②那覇-南大東③那覇-北大東④那覇-与那国⑤与那国-石垣⑥宮古-多良間⑦南大東-北大東―の計7路線。例として、那覇-与那国路線では離島割価格片道1万3550円が2350円値上げされ、1万5900円になるが、値上げ分の2350円を県が補助する。

 これまで値上げ分の補助は県が4割、町村が6割を負担していたが、11月からは県が町村負担分も含めて平均約2割の値上げ分の補助を一手に引き受けることで、ほとんどの路線で運賃が据え置かれる。

 町村の補助の期限は10月17日までだった。11月の値上げ実施までの18~31日は県が町村の負担分も補助する。

 玉城知事は「今回の運賃値上げは対象路線がより定住条件の厳しい中小規模の離島であることから、離島町村の負担軽減も含めて全額を県で負担する」と話した。(梅田正覚、與那覇智早)