沖縄の産業まつりに初めて出展した沖プライ商事(浦添市)は、専用の研磨機を使ってコンクリート床面を光沢のある仕上げにする技術を来年1月から導入する。塗料などを使わずコンクリートを直接削ることで、床の耐久性が向上し、環境負荷も低減できるという。産業まつりではコンクリートの打設段階で琉球ガラスを混ぜて埋め込んだ、沖縄ならではのデザインを取り入れた床のサンプルも展示している。
日本の床仕上げは、コンクリート素地に塗料や塗り床材を塗ったり、貼ったりするのが主流となってきた。ただ、経年劣化やひび割れなどが発生しやすく、定期的なメンテナンスが必要になる。これに対し、研磨機で直接磨き上げる「鏡面研磨」は塗料がいらず、大理石のような光沢のある床に仕上がることから国内でも注目されつつある。
沖プライ商事は、世界的な研磨機メーカーのHTC社(スウェーデン)の研磨機を、国内代理店のCRTワールド(埼玉県)を通じて導入する。塗り床に比べて二酸化炭素(CO2)排出量を減らせるほか、メンテナンスに伴う廃材や有害物質も出ないため環境負荷を低減できる。
倉庫や工場、住宅ガレージ、住宅の玄関などでの採用を想定している。安里健社長は「環境にも優しいこの工法を広げ、SDGsにもつなげていきたい」と話した。
(當山幸都)