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那覇市内の地域別の旅館業許可施設 宿泊施設整備の制度創設も <けいざい風水>


那覇市内の地域別の旅館業許可施設 宿泊施設整備の制度創設も <けいざい風水>
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 那覇市より公表された旅館業法に基づく許可を取得している施設(2023年8月末時点)をみると、合計700施設、2万4339室、収容定員数5万7840人となっています。

 施設の規模をみると、1施設あたりの室数について1~9室以下の施設は54%と全体の半数以上を占め、10~29室以下は21%となっています。小規模の宿泊施設が多く、個人を含めた多数の事業者が携わっています。

 地域別の施設数をみると、最も多い地域は辻の68施設、次いで牧志の63施設、安里の53施設と続いています。一方、地域別の室数をみると、最も多い地域は牧志の2701室、次いで西の2370室、松山の2214室と続いています。

 那覇市西と松山地域において施設数は少ないものの100室以上の宿泊施設が多く、辻や安里などを室数で上回っています。こうして地域別でみると、58号線より西側や、国際通り周辺の地域に集中していることが分かります。

 また、これらの一部地域では容積率緩和により室数を多く確保できる可能性があります。16年に国土交通省より「宿泊施設の整備に着目した容積率緩和制度の創設について」が発出されました。

 那覇市も観光客の受入を見据え一定の宿泊施設の整備を誘導するため、18年に運用方針を定めています。指定地域にて各種要件を満たせば本来建築できる容積率の最高限度+200%で宿泊施設建設が可能となる制度です。要件があるため適用された事例は少ないようですが、今後を含め各地域における室数の増減に影響がありそうです。

(おきぎん経済研究所研究員 新垣富宏)