ダイハツ不正に懸念広がる 「納車やめたい」購入見送りの客も 高い軽自動車シェアの沖縄、販売業者「全体の買い控え」を不安視


ダイハツ不正に懸念広がる 「納車やめたい」購入見送りの客も 高い軽自動車シェアの沖縄、販売業者「全体の買い控え」を不安視 20日から受注を停止している琉球ダイハツ販売=21日、浦添市城間の本店
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 国内の小型車で3割のシェアを持つダイハツ工業が自動車生産の認証申請を巡り不正していた問題で、ダイハツ車の代理販売やリース事業などを手掛ける事業者に問い合わせや購入見送りの連絡が寄せられるなど県内でも懸念が広がっている。県内では自動車保有台数の5割強が軽自動車で、ダイハツ車の需要も高い。利用者からは「家族が乗る車として愛用しているので心配だ」などの声が上がっている。

 沖縄総合事務局によると、2022年3月末時点の県内自動車保有台数は115万5497台で、うち軽自動車は64万3160台。全国軽自動車協会連合会によると、22年度の県内軽自動車新車販売台数は1万5968台で、メーカー別ではダイハツが5676台で全体の約36%を占める。

 新車販売やカーリース、中古車販売も手掛ける西自動車商会(沖縄市)には、「納車をやめたい」など購入を見送る連絡が数件あった。

 同社の広報担当者は「キャンセル可能だとダイハツ側からあったので、そのように対応している。ただダイハツは人気で軽自動車販売実績の3割くらいを占める。影響が心配だ」とし、「中古車も含め全体の買い控えなど起こらないといいが」と懸念を強めた。

 不正が見つかった車種にはトヨタやマツダ、SUBARUなどへのOEM(相手先ブランドによる生産)供給車も含まれる。

 沖縄トヨタ自動車は対象車種で納車待ちが752台あるという。約7割がレンタカー向け。生産が完了した316台は社内独自の検査で問題がないことを確認し、顧客と引き渡しを相談していく予定だが、463台の生産が未確定で「不安を払拭するため対応していきたい」と話した。

 利用者からも心配する声が漏れる。これまで3台ダイハツ車を乗り換えてきたという那覇市の会社員女性(40)は「軽自動車といえばダイハツというイメージで、デザインも燃費の良さも気に入っていたのでショックだった」と驚いた様子。70代の母や家族もダイハツユーザーといい「高齢者や幼い子が乗ることを考えると心配だ。来年は車検もあるがどうなるのか」と不安げに語った。

(謝花史哲、與那覇智早)