【名護】やんばる産のタンカンの出荷が本格化し、JAおきなわは9日、「タンカン旬入式」を名護市伊差川の北部地区営農振興センターで開いた。ことしは収穫量が少ない「裏年」に当たる。昨年の台風6号の影響も重なり、出荷は例年よりも少ないが、JAによると、糖度は平均よりも1~2度高く、甘さと酸味のバランスの取れた味わいとなっている。1月中旬ごろに出荷最盛期を迎える。
JAによると、本年度の出荷計画は、「表年」だった前年実績比で95トン少ない210トン(成果170トン、加工40トン)を見込む。台風の影響や、秋には害虫被害もあったが、1月に入り朝晩の冷え込みの影響で徐々に平年並みの色乗りに追いついてきているという。センター内の選果場では、職員がサイズや品質をチェック。タンカンは機械による洗浄などを経て大きさごとに段ボールに積み込まれていた。
式で、JAおきなわ北部地区柑橘生産部会の大城康信会長は「ぜひ多くの方に賞味してもらい、生産農家を激励してほしい」と話した。大城会長によると、生産量が少ないため、ことしのタンカンは県内流通が主体となる見込み。旬入式後には、関係者らが見守る中、初荷のタンカンを積んだトラックが出発した。
(池田哲平)