【地図あり】沖縄本島北部豪雨 浸水100件超 20人が避難 断水、停電続く


【地図あり】沖縄本島北部豪雨 浸水100件超 20人が避難 断水、停電続く 屋内にたまった泥を掻き出す男性=11日午後3時11分、国頭村比地(小川昌宏撮影)
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 8~10日にかけて沖縄本島北部で降り続いた大雨の影響で、国頭、大宜味、東、恩納の4村と名護市で、少なくとも住宅の床上浸水が52件、床下浸水が55件確認されたことが11日、各自治体のまとめで明らかになった。浄水場に土砂が入り込んだ大宜味村では11日午後7時現在、村全域で断水が続いているほか、国頭村では約20人が村内の宿泊施設に避難を続けている。大雨の被害は広範囲にわたり、完全な復旧までには時間がかかる見通しだ。

 被害を受け、県の池田竹州副知事は11日、名護市や大宜味村などを視察。災害復旧事業に該当する可能性があるとの見方を示し、各自治体の意見を聞いた上で、国への要請を検討する考えを示した。県は同日、災害対策本部を立ち上げ、被害状況や今後の復旧に関する方針を確認した。

 週末の大雨災害となり、各自治体は11日午前から被害状況の把握や、道路の復旧工事を急いだ。約1700世帯の断水が続く大宜味村では、9日午後から10日朝にかけて村職員が復旧作業を続けた。友寄景善村長によると、浄水は再開し、配水タンクへの送水を開始している。友寄村長は作業を進め数日中には断水解消を目指す考えを示した。

 比地川がはん濫した国頭村比地集落では11日、村民らが片付けに追われた。村によると、村内で床上浸水24件、床下浸水34件が確認された。11日午前の段階で、15軒の停電があった。同日午後4時半現在で停電の解消は確認できていない。県道路課によると、同日午後7時現在、県道14号の名護市源河~東村有銘間の全面が通行止め、各地で片側規制などの交通規制が続いている。市町村管理の道路では、土砂崩れなどにより、農道や林道を含め、少なくとも19カ所で通行止めが続いている。

 沖縄気象台によると、本島北部地方で局地的に発生した線状降水帯で、降り始めの7日午前0時から、11日午前9時までの降水量は東村平良で観測史上最多の656・0ミリ、国頭村奥で520・0ミリ、国頭村比地で285・0ミリを記録した。数年に一度程度の大雨が降った際に発表する「記録的短時間大雨情報」は計18回出された。

 気象台は、12日以降も国頭地区と名護市で一時的に大雨警報(土砂災害)の再発表の可能性があるとして警戒を呼びかけている。

(池田哲平、西田悠、金城大樹)