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地域にとって一石三鳥になる 仲宗根豊一(沖縄UKAMI養蚕代表取締役) <仕事の余白>


地域にとって一石三鳥になる 仲宗根豊一(沖縄UKAMI養蚕代表取締役) <仕事の余白> 仲宗根豊一(沖縄UKAMI養蚕代表取締役)
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 皆が幸せで、豊かに暮らせる世界をつくるには、さまざまな産業が発展していくことが必要である。限りある資源で大量生産・大量消費してきたこれまでの時代とはやり方を変えて、持続可能な仕組みを考えていかなくてはならない。

 沖縄での私の活動目標の一つである地域の発展もこのことを意識して進めている。私は、現在、地域の資源を持続することに注力している。蚕(エリ蚕(さん))のエサとなるキャッサバを栽培する畑は、耕作放棄地を活用している。キャッサバは根、茎、葉の全ての器官が有効に利用できることから“無駄のない作物”と呼ばれる。

 特に塊根中で合成されるでんぷんは全世界で5億~10億人の食糧源・エネルギー源となっている。肥料なしでも育ち、食料安全保障や貧困削減、産業利用上、重要な作物として位置付けられている。

 さらにSDGsやカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)への取り組みが重要性を増していることから、今後、キャッサバを用いた持続的な低炭素社会の実現に向けた研究も進めていく予定である。

 耕作放棄地を利活用したキャッサバ栽培は、環境にもやさしい「持続可能な社会の実現」に一役買っており、地域にとって蚕(エリ蚕)を用いたモノづくりは、「地域資源の利活用」、「障がいのある方の活躍の場づくり(雇用の促進)」に加え、「持続可能な社会の実現」にもつながり、地域にとって一石三鳥になると確信している。