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MRO社、リース機返却時の整備参入 国内初、来年度から 第1弾はスタフラ支援 沖縄・那覇


MRO社、リース機返却時の整備参入 国内初、来年度から 第1弾はスタフラ支援 沖縄・那覇 MROの格納庫(資料写真)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 国内唯一の航空機整備専門会社「MRO Japan」(MJP、那覇市)が、航空会社がリース機を返却する際の整備事業に乗り出すことが25日、航空関係者への取材で分かった。これまでは海外整備会社に委ねられ、国内で専門に扱う初事例となる。第1弾として、スターフライヤー(北九州市)と受注契約を交わした。2024年度に着手する方針。

 リース機は財務面でメリットがあり、多くの航空会社が活用しているが、返却時の整備が大きな課題で、重整備と呼ばれる多項目にわたる点検や修理と膨大な記録書類が求められる。国際基準を満たすことが必要なケースが多いため、全日空や日航でも自社でできるのは一部で、中小や格安航空会社(LCC)は全面的に海外に頼ってきた。

 関係者やMJPによると、一般的にリース会社は金融法人で、航空機は投資対象となり、資産として扱われる。リース期間中の運航は日本の航空法に基づく整備で管理されるが、返却時にはマンション退去時の原状回復のように、所有者や次に貸し出す国の基準にも合致した状態に戻す必要がある。基準を満たすまで、高額の延滞料が発生するリスクもある。

 MJPは22年11月に欧州航空安全庁(EASA)の認証を国内で初めて取得。世界基準の整備レベルを保証されたことで、今回の契約につながった。MJPが返却前の重整備から請け負い、リース会社と返却条件を巡る交渉も支援する。

 スターフライヤーによると、委託する機体はエアバスA320で、約12年使用。返却時にはEASA基準の重整備が契約の条件だった。

 MJPは取材に「リース機返却ビジネスは会社の設立当初からの目標だった。実績を積み、他の航空会社からも選ばれるようになりたい」としている。

リース機返却整備のイメージ