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沖縄の発展支える防災意識 教訓生かし、事前の対策を <けいざい風水>


沖縄の発展支える防災意識 教訓生かし、事前の対策を <けいざい風水>
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 皆さまは日頃より防災対策はされていますでしょうか。気象庁によると日本では震度5以上の地震は18・6回/年間(過去10年間の月別地震回数)、1時間に50ミリ以上の雨が降る風水害は334回/年間(過去10年間の平均年間発生回数)と、多くの自然災害が発生しています。

 また、近い将来大規模地震が発生する可能性もしばしば取り上げられており、今後は東日本大震災や記憶に新しい能登半島地震をはじめとした、数々の災害の教訓を踏まえ、被害を最小限に抑えるための対応が企業や住民に求められています。

 防災に対する企業の対策としては、事業継続計画(BCP)の策定や、オフィス・工場・家屋等の耐震化、インフラ老朽化対策等があります。事前の対策による効果として、事前の対策を行わなかった場合よりも復興の際に速やかに回復することができます。また、内閣官房国土強靭(きょうじん)化推進室の試算によると、事前に防災対策をした方が五分の一~六分の一程度の費用で済むとされており、少ない先行投資が大きな効果をもたらすことが分かります。

 沖縄は他の都道府県とは違い島嶼(とうしょ)県であり、災害発生時に港湾施設等の被災により他県から支援物資が届かない可能性があるなど固有の被害も想定されます。常日頃から、自治体だけでなく、企業や住民一人ひとりが防災への意識を高めることが沖縄の持続的な成長につながります。これまでの教訓を生かし、事前の対策に取り組んでみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人
川上 大樹 沖縄銀行 法人事業部 調査役