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受発注システム 多業種支援 インフォマート沖縄営業所開設 取締役・木村慎氏 24年問題対応も視野 <焦点インタビュー>


受発注システム 多業種支援 インフォマート沖縄営業所開設 取締役・木村慎氏 24年問題対応も視野 <焦点インタビュー> 沖縄営業所開設の意図について語るインフォマートの木村慎取締役=9日、那覇市松尾の同営業所
この記事を書いた人 Avatar photo 島袋 良太

 システム開発やBtoB(企業間取引)支援を手掛けるインフォマート(東京都)が、沖縄営業所を那覇市内に開設した。事業所を開設するのは全国で5例目。旺盛な建設需要や入域観光客数の伸びを背景に沖縄進出を決めたという木村慎取締役(事業企画担当)に話を聞いた。

―事業所開設の背景は。

 「東京本社、西日本(大阪)、福岡に次いで3月に札幌、4月に沖縄に開所した。沖縄は産業に占める建設業の割合が高く、需要も旺盛だ。観光もコロナ収束を経て、インバウンド(訪日客)を含めて今後の伸びが予想される。建設業や飲食業など業種ごとに作り上げたプラットフォーム(受発注システム)を提供する自社の強みを生かせると判断した」

―沖縄での現状は。

 「既に有料、無料含め5千~6千の利用者がいる。国場組、リウボウホールディングス、大鏡建設、那覇セントラルホテル、那覇酒類販売、富士フイルムBI沖縄など幅広い業種で導入いただいている。活用法が細部まで理解されていない場合もあり、営業所開設でサポート機能を高めたい。営業機能も強化し、2025年末までに沖縄での売り上げを2倍にしたい」

―建設需要を見込んで進出した背景は。

 「見積りから請求までをデータでやりとりし、書類業務を楽にする受発注のBtoBプラットフォームを展開してきた。特徴はこのシステムを業界ごとに設計している点だ。例えば建設業だと請求書のやりとりだけでなく、出来高管理も同時に行わないと円滑な事務処理ができない。書類が建設業法に適合している必要もある。制度にのっとった書類をやりとりできるのが弊社の強みだ」

 「もう一つの転換点は2024年問題だ。建設現場は夕方ぎりぎりまで作業をしたいが、社員はその後に現場を確認して事務所に戻り、報告書類を書く。どうしても数時間の残業が生じる。弊社のサービスだとネットを使って現地で書類作成と報告ができる。直行直帰ができ、残業も減らせる」

―観光需要は。

 「観光と一緒に飲食業も需要が高い状態が続く。弊社は食材の受発注システムで成長した。近年はAIによる在庫管理の技術も高まり、スマートフォンを使ってLINEでも発注できる。データ分析で、必要な食材や酒を必要な時に注文すれば、無駄を省き、損失も回避できる。フードロス削減にもなる」

 「人手不足も深刻で、店舗管理者の確保も大変だ。複数店を経営していても、基となる店舗の運営マニュアルが存在すればAIが適切なタイミングでタスクチェックや衛生管理の指示を出すマネジングシステムもある。訪日客の増加に伴う需要を取りこぼさないよう、飲食業を支援するプラットフォームも普及させたい」

 (聞き手・島袋良太)