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【比較表あり】宮古島、2030年度に「水不足」 リゾート開発、観光客の増加で りゅうぎん総研調査 沖縄


【比較表あり】宮古島、2030年度に「水不足」 リゾート開発、観光客の増加で りゅうぎん総研調査 沖縄 水道のイメージ
この記事を書いた人 Avatar photo 友寄 開

【宮古島】りゅうぎん総合研究所は16日、観光客数が増加する宮古島市で、現在の給水能力のままでは2030年度に水不足になる恐れがあるとの調査結果を発表した。課題解決へ伊良部浄水場の活用や新水源の開発、水道設備の更新、節水を意識したリゾート開発など民間や行政が一体となって話し合う会議体の設置などを提言した。

 市は、現在休止している伊良部浄水場の再開に向け準備を進めるなど、対策を講じるとした。

 一般家庭や宿泊施設などが使用する市内の生活用水は現在、袖山と加治道の両浄水場から全域に供給している。給水能力は1日当たり3万4005立方メートルだが、19年度に1日当たり給水量が最大で3万3452立方メートルを記録した。

 同市の観光客数は18年度に100万人を超え、新型コロナウイルス感染症の影響で一時大きく落ち込んだものの、23年度は2月末時点で85万2061人(推計値)まで回復した。今後も観光集客の回復・増加とともにリゾート開発が進むことが見込まれることから、りゅうぎん総研は1日当たり給水量が30年度の推定値で最大3万4228立方メートルと、2施設の能力を上回ることが予想されると分析した。

 同市の宮古島商工会議所で会見した、りゅうぎん総研の担当者は「事業者が大規模な宿泊施設を計画し、給水量について市と事前協議をしても、望んだ給水量を得られることができず、結果として規模を縮小せざるを得ない状況にある」と説明。ホテル事業者からの給水希望が大幅に増加する中、大規模開発ができない状況にあるという。

 市は、27年度ごろに伊良部浄水場再開に向けて準備を進めているという。大量の給水を受けている事業者に対して、新たな料金設定を設けるなどの対応も必要に応じて検討していくとした。

 (友寄開)