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マネジメントあればこそ 國場幸智(大和証券那覇支店長) <仕事の余白>


マネジメントあればこそ 國場幸智(大和証券那覇支店長) <仕事の余白> 國場幸智
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 大和証券入社後初めての転勤で東京勤務となった2010年、当時会社の後輩だった妻と結婚した。当時は世界金融危機の余波が長引き証券業界は苦しい時代で、情けないことに貯蓄に不安を感じ新婚旅行には行けなかった。すると会社を辞めた妻が「新婚旅行代は私が稼ぐ」と千葉のテーマパークで働き始め、その後本当に妻の貯めた資金でイタリア旅行に連れて行ってもらった。

 生涯頭が上がらない理由の一つである。一応、私も妻の仕事終わりの23時頃に愛車のユーノスロードスターで日々お迎えに上がっていたことは付け加えておきたい。市場部門勤務だったので、翌朝も早起きな日々であった。

 イタリアでは観光地を回ったが、景色や建物よりも料理に心を奪われた。何を食べても美味(うま)いのだ。合わせて飲むワインも美味お(い)しく、お酒は料理と共にあることを改めて教えられた。

 旅先でパスタの作り方を教えてもらい、帰国後は休みの度に昼食に妻に振舞った。妻が毎回褒めてくれるのが嬉しくて気合が入り、子が生まれ家族が増え、単身赴任となった今も帰宅時にはパスタを振舞う日々が続いている。昼の12時を回るとお酒を飲んでもOKとの自主ルールの下、ビールを飲みながら作るのが好きだ。

 継続は力なりと言いたいが、褒めて伸ばす、好きにさせる、という妻のマネジメントあればこそ。自身がマネージャーとなったここ数年、このことを痛感する日々である。やっぱり妻には頭が上がらないのである。

國場 幸智 こくば・ゆきとも

 1981年12月、米国ニューヨーク州生まれ。生後すぐ帰沖し、昭和薬科大学附属高校卒、早稲田大学政治経済学部卒。2004年に大和証券入社。19年間の県外での勤務を経て、昨年4月から那覇支店長。14代目で初の県出身支店長。趣味は読書とお酒を飲みながらする料理。