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5月の県内景気「拡大」維持 消費、緩やかに増加 日銀那覇支店


5月の県内景気「拡大」維持 消費、緩やかに増加 日銀那覇支店 イメージ
この記事を書いた人 Avatar photo 当間 詩朗

 日本銀行那覇支店(小島亮太支店長)は17日発表した5月の県内金融経済概況(主要指標3月)で、緩やかに増加している個人消費や好調な観光需要などを踏まえ、県内景気は「拡大基調にある」との判断を維持した。小島支店長は「物価高の影響が一部であるが、消費は緩やかに増加を続けている。日銀が目指す賃金と物価の好循環に向けた動きがみられる」と説明した。

 観光関連は主要ホテル稼働率が前年同月比で6・2ポイント減の65・7%だった。那覇市内のホテルは3・5ポイント増の74・3%だったのに対し、リゾートホテルは10・9ポイント減の61・5%だった。物価上昇に伴い、旅行代金も上昇する中で、低価格のシティーホテルなどが稼働率を伸ばした。コロナ禍を終え、ホテル客室数が大幅に増加する中、高価格帯のリゾートホテルは稼働率を維持するのが難しい傾向がみられるという。

 投資関連は、3月の新設住宅着工戸数が前年比4・8ポイント減で3カ月連続のマイナス。建築資材価格上昇に伴う販売価格高騰で住宅取得意欲低下の声が聞かれる。一方で、貸家の着工は増加していることから「底堅く推移している」と判断を据え置いた。

 目先の県内経済については、インバウンド(訪日客)を中心に観光客の増加などが見込まれることから「拡大基調が続くとみられる」と判断した。

 (当間詩朗)