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沖縄県内の6月景気は「拡大」維持 日銀那覇 電気代の値上げ懸念も


沖縄県内の6月景気は「拡大」維持 日銀那覇 電気代の値上げ懸念も 那覇市内(資料写真)
この記事を書いた人 Avatar photo 当間 詩朗

 日銀那覇支店は10日発表した6月の県内金融経済概況(主要指標4月)で、好調な観光業を背景に雇用所得環境は緩やかに改善し、個人消費も緩やかに増加していることから、県内景気は「拡大基調にある」との判断を維持した。小島亮太支店長は「物価高の影響は一部でみられるものの、個人消費は緩やかに増加を続けている。住宅投資や公共投資も異変はみられない」と説明した。

 個人消費は5月の大型連休が晴天に恵まれたこともあり、季節商材や外食需要が堅調に推移した。巣ごもり需要反動減の改善などもあり、家電大型専門店販売額は前年同月比19・6%増(速報値)となった。

 一方でヒアリングでは、電気料金値上げが購買意欲に与える影響を懸念する声も聞かれた。スーパーからは精肉価格上昇で売り上げの鈍化を指摘する声もあった。小島支店長は「定額減税もあるが、電気料金値上げで消費控えを懸念する企業もある。消費の下押しリスクも見ていかなければならない」とし、物価や賃上げ動向などを注視する考えを示した。

 投資関連では4月の新設住宅着工戸数が前年同月比16・2%増となり、4カ月ぶりにプラスに転じた。持ち家や分譲戸建ては減少だったものの、貸し家や分譲マンションが増加。先行きについては資材価格高騰に伴う販売価格上昇や住宅ローン金利上昇による金利負担が高まった場合、購入意欲減退を懸念する声も聞かれた。

 観光は4月の主要ホテル稼働率が前年同月比1・6ポイント増の65・8%だった。ヒアリングでは、夏場にかけてのホテル予約状況は航空会社のタイムセールスなどで、23年数値を上回る見込みとの報告もあった。

 (当間詩朗)