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新紙幣発行まで2週間 銀行ATMや大手スーパーのレジ改修終了 小規模事業者、対応に苦慮 沖縄


新紙幣発行まで2週間 銀行ATMや大手スーパーのレジ改修終了 小規模事業者、対応に苦慮 沖縄 新紙幣や新500円に対応するため、運賃箱の取り換えを進める沖縄バスの整備士=18日、豊見城市
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 約20年ぶりとなる7月3日の新紙幣発行まで残り2週間となった。県内の各事業者が現金を扱う機器で新紙幣対応を進めている。県内地銀3行は既にATMや両替機のシステム改修やソフト更新を終えるが、飲食店などを中心に小規模事業者は手が回らず、対応に苦慮している。

 県内で券売機の導入実績が豊富な全琉特機(中城村、宮良巴八社長)によると、飲食店などの取り扱い事業者から問い合わせが殺到しており、新紙幣対応に向けた改修作業は半年を要する機種もあるという。

 原材料価格が高騰する中、更新費用の高さに苦しむ事業者がいる一方で、新紙幣対応を機に、完全キャッシュレス化に向けた設備投資を検討する動きも広がっている。

 全琉特機は、飲食店や市町村役場にある住民票取得のための券売機など、県内約300の事業者や団体の機器を取り扱っている。うち新紙幣対応を終えたのは2割程度にとどまる。機種によって部品の交換やシステム改修では対応できず、新たな券売機に入れ替えなければならない事業者もいるという。

 宮良社長は「事業者には早めの対応を呼びかけてきたが、なかなか浸透しなかった」と説明する。現在は全国でもメーカーへの発注が殺到していて、機種によっては改修や納品が半年後になることもあるという。

 県内大手スーパーのサンエー、イオン琉球は全店舗のレジなどで新紙幣対応を終えた。

 沖縄都市モノレールも全ての駅で新紙幣を利用できるようにしたほか、沖縄バスは7月3日までに全車両で新紙幣対応を終える予定。一方、那覇バス・琉球バス交通は7月3日までの対応ができないとし、対応時期も未定という。 

 (当間詩朗、新垣若菜、與那覇智早)