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観光施設における休日・平日の繁閑差 平日旅行促進に期待 <けいざい風水>


観光施設における休日・平日の繁閑差 平日旅行促進に期待 <けいざい風水>
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 2023年度の沖縄県入域観光客数は853万人となりました。国内観光客は過去最高、外国人観光客は4割程度ですが足元は約6割と回復を続けており、1千万人を超える入域が今後期待されます。

 これから夏の最盛期を迎えますが、県内観光はシーズンによる繁閑差が大きく、観光需要の平準化が課題に挙げられます。対策としてシーズンオフ期のイベント開催や魅力的なコンテンツ提供など、多くの取り組みが検討・実施されています。一方、休日と平日の繁閑差対策についてはどうなのか、調べてみました。

 「沖縄観光地域カルテ」では、位置情報を活用した人流が可視化されており、平日(月~金)と休日(土日祝)のデータが確認できます。県外からの来訪データを複数施設で確認すると、24年3月の休日来訪者の割合は全体の40%前後でした。

 一方、当該月の休日割合は約35%(31日中11日)であることから、やはり休日に多く県外からの来訪があることが分かります。

 また那覇空港への来訪は約39%であり、他施設と同程度の数値となっています。個々の観光施設による差はあれども、休日・平日の需要の平準化は難しいと感じました。

 観光庁の施策である観光立国推進基本計画(23年3月31日閣議決定)によると国内旅行需要の平準化促進のため、平日旅行需要喚起キャンペーンの実施や休暇を取得しやすい職場環境の整備、休暇取得の分散化の促進が挙げられています。平日旅行が促進されることを、期待したいです。

この記事を書いた人
新垣 富宏 おきぎん経済研究所研究員