りゅうぎん総合研究所(豊田良二社長)は24日、県産品利用実態アンケート調査に関するレポートを発表した。製造品(主要な3品目)の原材料の仕入れ先の県外・県内割合では、「全て県外」が37・2%と最も大きく、生産過程で多くの所得が県外へ漏出している実態が浮かび上がった。県産品の利用を促進するために、県や主要市町村が県産品の優先使用について条例を定めることなど、5項目の提言をした。
仕入れ先について「全て県外」と「5割以上が県外」の合計が52%と過半数を占めた。販売先については「全て県内」と「県内が8~9割」を合わせると71・5%となり、県外への販売割合が小さく、県外から所得を稼ぐ力が小さいことが分かった。アンケートは県工業連合会の会員事業者266社のうち88社から回答を得た。
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アンケートとは別に、産業連関表を用いた県内自給率上昇による波及効果測定では、製造業の自給率が1%上昇した場合、174億3千万円の直接効果が生まれると試算した。原材料やサービスなどを提供する他の産業の生産誘発を加えて、経済効果は325億1400万円に上るとした。
山口県が全国でもいち早く2008年に制定した「ふるさと産業振興条例」を参考に、県産品の優先使用についての条例化を進めることを提言した。
製造業のうち食品飲料系は第一次産業に原材料を依存する場合が多いことから、第一次産業振興のための取り組みは製造業にとっても重要だと指摘した。
製造業者が抱える問題として電気料金などの負担が大きいことから、工業振興目的税の創設による電気料金支援も提言した。
(與那覇智早)