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沖縄公庫とセルラー、シンク社に1億円出資 琉大発スタートアップ、「生物多様性ビジネスに可能性」


沖縄公庫とセルラー、シンク社に1億円出資 琉大発スタートアップ、「生物多様性ビジネスに可能性」 協調出資を受けたシンク・ネイチャーの久保田康裕CEO(右から2人目)と舛田陽介社長(同3人目)=2日、那覇市松山の沖縄セルラー電話
この記事を書いた人 Avatar photo 当間 詩朗

 沖縄振興開発金融公庫(新垣尚之理事長)と沖縄セルラー電話(宮倉康彰社長)は2日、那覇市松山の沖縄セルラー電話本社で記者会見を開き、生物多様性・生態系サービスなどの事業を手掛ける琉球大学発のスタートアップ(新興企業)、シンク・ネイチャー(久保田康裕CEO)に約1億円を協調出資したと発表した。

 シンク社は出資金をシステム開発や人材採用、海外展開などを含めた拠点開設に充てる方針。

 シンク社は独自に開発したデータ抽出技術を駆使し、生物多様性に関するデータを整備、蓄積した。世界の陸、海を網羅した野生生物の時空間分布や種の遺伝子、気候などをビッグデータ化し、企業活動の自然環境へのリスクを「見える化」した。

 沖縄セルラーはシンク社の協力を得て「自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)」リポートを発行している。シンク社の久保田CEOは「今回の資金調達で科学的な知見をビジネスで実装していく。日本だけでなく世界中にわれわれのサービスを届けていきたい」と話した。

 沖縄公庫の外間聡理事は「グローバル展開を視野に生物多様性ビジネスにおいてリードを取る可能性を秘めていると評価している」と述べた。沖縄セルラーの宮倉社長は「当社にもネイチャーポジティブの取り組みを加速化する使命がある」と出資の意義を強調した。 

(当間詩朗)