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【地図あり】沖縄のMICE施設、大林組JVが入札見送り ホテル事業懸念か 県、入札公告再検討も


【地図あり】沖縄のMICE施設、大林組JVが入札見送り ホテル事業懸念か 県、入札公告再検討も 大型MICE施設の建設予定地=2022年2月、与那原町東浜(資料写真)
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 沖縄県が入札を募っている、与那原町と西原町にまたがるマリンタウンMICEエリアへの大型MICE施設建設事業について、参加が有力視されていたゼネコン大手の大林組などでつくる共同企業体(JV)が、応札を見送ると県に報告していたことが、18日までに分かった。受付最終の9月18日までに応札がなかった場合は入札不調となり、県は条件や時期などを見直し、再度入札公告を検討するとしている。

 事業を巡っては、2017年に大林組を代表企業とするJVが落札し、20年の開業を目指した。しかし、財源と見込んでいた沖縄振興特別推進交付金(一括交付金)の交付を国が認めなかったことで計画が中断。県は施設規模や整備手法を見直し、民間資金活用による社会資本整備(PFI)方式の導入を決めた。

 約420億円の大型事業に大林組の再参入が期待されたが、関係者によると、同社が今回の入札を見送った要因の一つに参加要件となったホテル事業があるという。県は6月25日に公開した要求水準書で、客室面積の平均が40平方メートル以上、客室数250室以上、うち3%以上をスイートルームとするなど、新設ホテルの要件を新たに公開した。県内で多くの新設ホテルが開業する中で、関係者は「大規模ホテルの稼働が見込めるのかなどの懸念があったのだろう」と断念理由を推察した。

 大林組は同事業を見送った理由などについて「個別の案件に関しては回答を差し控える」と述べるにとどめた。県MICE推進課の担当者は「あくまでも1社の判断だ。県外や海外の事業者も募っているので、これから9月に向けて事業者の動向を注視したい」と話した。 

(與那覇智早、島袋良太、当間詩朗)