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日銀が追加利上げ メガバンクは即座に対応、県内3行の反応は? 中小企業は資金繰り懸念も 沖縄 


日銀が追加利上げ メガバンクは即座に対応、県内3行の反応は? 中小企業は資金繰り懸念も 沖縄 
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 日銀は31日、政策金利の追加引き上げを決定した。メガバンクの三菱UFJ銀行は普通預金金利と短期プライムレートの引き上げを発表するなど即座に対応した一方で、県内地銀3行は金利引き上げについて「未定」と慎重な姿勢だ。本格的に到来した「金利ある世界」。今後、県内地銀3行が預金や貸し出しの金利改定をいつ、どの程度の幅で実施するか注目される。 

 沖縄銀行は本紙の取材に「現時点では短期プライムレートの引き上げ時期、引き上げ幅は未定。県経済や県内企業の業況、実質賃金の状況などを見極めた上で、慎重に対応を検討する」と回答した。

 琉球銀行は昨年末から、さまざまな政策金利上昇幅に合わせた預金や貸出金利のシミュレーションを実施してきた。現時点での対応については「未定」とした。沖縄海邦銀行は「対応を検討している」とした。

 県商工会連合会の米須義明会長は「円高に進み、エネルギーや原材料高に抑制がかかることに期待する」とする一方、中小企業の資金繰りへの影響を懸念する。「金利負担増は中小企業の経営にとっては厳しい材料。金利の上げ幅にもよるが、住宅ローン負担なども上がることで消費の冷え込みも起きかねない」と危惧した。

 県中小企業家同友会の星崎浩二政策委員長は「コロナ禍の救済措置だった『ゼロゼロ融資』が返済期限を迎えたことによる金融機関からの借り換えで、既に金利が発生している。沖縄は金融機関の競争も激しいので今回の利上げで各機関がどれほど利上げをするのか想像するのは難しい」とした上で「各企業の経営状況によって貸し出し金利も変わってくるなど金利の差別化が起きてくるはずだ」と見通した。 

(当間詩朗、島袋良太)