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決済手段、多様化した社会での「改刷」 事業者、顧客が安心できる流れを <けいざい風水>


決済手段、多様化した社会での「改刷」 事業者、顧客が安心できる流れを <けいざい風水>
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 7月3日に新紙幣が発行されました。紙幣の絵柄・デザインが変更されることを「改刷」といい、今回は1万円札、5千円札、千円札の3種で改刷が行われ、肖像も変更されました。

 大きな改刷はこれまでも行われていますが、主な目的は偽造防止です。パソコンやスキャナー、カラーコピー機が普及したことで、過去には偽造紙幣が増えた時期もありましたが、現在発行されている紙幣には、これらでは再現することが困難な技術が多く使われています。新しいツールによる新たな偽造の危険性が高くなったときなどに、新しい偽造防止技術を加え、デザインが一新されます。

 今回は偽造防止技術に加え、ユニバーサルデザインにも重点が置かれています。券種ごとに識別マークの位置が変更され、年齢や国籍を問わず多くになじみのあるアラビア数字による額面表示が、以前よりも大きくなっています。これらの変更により、偽造防止と使いやすさを両立した新紙幣が発行されました。

 一方で、対応に迫られた事業者も多いのではないでしょうか。精算機やレジのシステム更新、入れ替えなどです。かなり負担を感じた方もいらっしゃるかと思われますが、これを機にキャッシュレス化を進めるなど新たな取り組みを始めた事業者もあると聞きます。キャッシュレス普及後、初めての改刷でもあり、事業者はこれまでよりもさまざまな対応をすることになることかと思われます。事業者と顧客、それぞれが安心して決済できるような流れができることを期待します。

この記事を書いた人
小嶺 貴史 おきぎん経済研究所