県農林水産部は10日までに、化学肥料の軽減など農業生産時の環境負荷軽減に配慮した「特別栽培農産物」の栽培マニュアルをまとめた。
基礎技術編と作物編としてゴーヤーやオクラなど5品目を作成。2006年から取り組む「特別栽培農産物認証制度」のさらなる普及で、県産農産物の付加価値向上を目指す。
農林水産省は節減対象農薬の使用回数(量)と化学肥料の窒素成分量が50%以下で栽培された農産物を「特別栽培農産物」として認証し、農産物の信頼度向上や環境保全型農業の推進を図っている。県によると、2023年度末時点の県内認証件数は927件で、認証を受けた農産物は認証マークを貼付し、出荷・販売が可能となる。
今回のマニュアル作成では、県園芸戦略品目のサヤインゲン、ゴーヤー、トマト、カボチャ、オクラの5品目を選定。これまでの栽培と同等の収量に加え、コスト低減を両立できる仕組みや沖縄特有の土壌に特化した栽培技術などを盛り込んでいる。今後、普及事業として実証栽培に取り組むピーマンやニンジンなどさらに5品目のマニュアル作成を予定する。
県農林水産部の前門尚美部長は「環境の配慮だけでなく、収量など生産者の経営向上も期待できる。持続的農業の実現や県産農産物の安全安心にもつなげられる」と活用を呼びかけた。
マニュアルは同部営農支援課のホームページで公開。県は発行記念として18日午後1時半から沖縄市の農民研修センター大研修室で講演会と情報交換会を開く。対象は環境保全型農業に取り組む生産者や関心のある個人、企業など。申し込みは同課、電話098(866)2280。
(新垣若菜)