中小企業のための経営戦略セミナー(琉球新報社主催)が2日、那覇市泉崎の琉球新報ホールで開催された。M&A総合研究所の今村興平金融提携部シニアマネージャーが講演し、事業承継の手段として増加傾向にあるM&A(合併・買収)の動向や戦略を説明した。
M&Aは事業が成長局面にあり、従業員の平均年齢も若い場合に譲渡額が大きくなる傾向がある一方、交渉や契約成立後の事業引き継ぎにも長期間を要するとし、「できるだけ早く検討した方がいい」と助言した。
今村氏は国内中小企業の3分の1が後継者不在の状態にあるとし、廃業で雇用喪失などの懸念があるとした。一方、過去5年で事業承継した中小企業の3分の2は親族以外への承継が占め、M&Aは増加傾向にあると説明した。M&Aは譲渡側と引き受け側が互いに強みや弱みを補完し合うことができるためと利点を強調。戦略的な検討や交渉が重要だと説明した。
セミナーは「やっぱりステーキ」など100店舗余りを国内外で展開するディーズプランニング(那覇市)の義元大蔵社長も基調講演した。
(島袋良太)