先日、4、5歳くらいの女の子を連れたお父さんが、車いすから自動車に乗り込もうとして倒れている方を助けようと奮闘しているのを見かけました。その親子は通りすがりで、見かねて手助けをしていたのだと思うのですが、なかなか一人ではうまくいかない様子だったので、私も加勢しました。
そうこうしているうちに、体格の良い2名の方がさらに加勢してくれました。非力な私はサポートに回りましたが、なかなか思うようにいきません。まずは車いすに乗せて、その後、自動車に乗せようとあれこれと試み、なんとか皆さんの力で無事車に乗せることができました。知らない人同士で力を合わせ、すがすがしい思いで沖縄の方々の温かさを改めて感じた日となりました。
先月9月は、障害者雇用支援月間でした。障がい者雇用では「仕事や作業にその人を合わせる」のではなく、「その人に仕事や作業を合わせる工夫がポイント」だと言われます。障がい者がその能力を発揮できるように職場環境を工夫することは、他の従業員にとっても働きやすい環境を提供することにつながり、それは誰もが安心して働ける社会を実現することにもつながると考えます。
2023年度の障がい者雇用率は沖縄県が全国1位で3・24%でした。障がい者雇用率は、企業の労働者数に対する障がい者数の割合をいいます。ちなみに全国平均は2・33%です。前述のような「ゆいまーる」が、沖縄の障がい者雇用率が高い理由の一つなのかもしれませんね。
厚生労働省沖縄労働局長。神奈川県出身。旧労働省に入省、富山労働局職業安定部長、京都労働局総務部長、厚生労働省職業安定局農山村雇用対策室長、厚生労働省職業安定局労働移動支援室長を歴任。趣味は気ままな家庭菜園。