「第48回沖縄の産業まつり」が25日、那覇市の奥武山公園と県立武道館を会場に始まった。沖縄経済がコロナ禍から回復する中で、会場では原材料高などの製造業を取り巻く近年の課題を克服しようと、高付加価値化を図ったり、収益の柱を増やすため新規事業を展開したりと、知恵と工夫を凝らして試行錯誤を重ねた新商品が多く見られた。2024年度の「優良県産品」に推奨された49品から優秀11点の表彰式も開かれた。
沖通商(那覇市)はエアコンの室外機に設置し、稼働能力はそのままに電力量を削減する「琉球エコシステム(RES)」を琉球大学と共同開発した。業務用エアコンに対応し、約2割のコストカットにつながるという。奥濱哲夫社長は「電気料が高騰する中で、企業らを手助けすることができる」と笑顔で語った。
2021年度にも受賞しており、その後さらに検証を重ね、県内の大手企業でも採用が広がった。装置内にある独自構造で生まれる「渦」により省エネの向上と二酸化炭素排出量の削減も実現させたという。「県外での利用拡大はもちろん、県外業者にも広めていきたい」と前を見据えた。
(新垣若菜)