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地元「あふそ米」で泡盛 甘さ広がる2種 咲元酒造 優良県産品・NEXT部門最優秀賞 沖縄の産業まつり


地元「あふそ米」で泡盛 甘さ広がる2種 咲元酒造 優良県産品・NEXT部門最優秀賞 沖縄の産業まつり 恩納村の「あふそ米」を使った泡盛を開発した咲元酒造の奥間英樹さん=25日、那覇市の県立武道館
この記事を書いた人 Avatar photo 當山 幸都

 「第48回沖縄の産業まつり」が25日、那覇市の奥武山公園と県立武道館を会場に始まった。沖縄経済がコロナ禍から回復する中で、会場では原材料高などの製造業を取り巻く近年の課題を克服しようと、高付加価値化を図ったり、収益の柱を増やすため新規事業を展開したりと、知恵と工夫を凝らして試行錯誤を重ねた新商品が多く見られた。2024年度の「優良県産品」に推奨された49品から優秀11点の表彰式も開かれた。

 従来のタイ米ではなく、沖縄で生産した米を使い製造された泡盛が近年注目されるようになった。今年の「沖縄の産業まつり」でも、原料まで県産にこだわった新たな泡盛商品がお披露目されている。咲元酒造(恩納村)は村のブランド米「あふそ米」を使った泡盛「恩 On a village」を11月1日に発売する。開発に関わった奥間英樹さんは村出身。生まれ育った故郷の米で泡盛を造りたいとの思いが商品に結実した。27度と42度の2種類あり、いずれも恩納村の南北の距離(27キロ)と東西の長さ(4・2キロ)にちなんだ。27度の商品は、県優良県産品の「NEXT部門」で最優秀賞に輝いた。

 従来のタイ米と違って、日本の米ならではの甘さが引き出せたという。恩納村が「琉歌の里」であることも知ってもらおうと、パッケージには奥間さん自作の「恩納岳くさて 黄金稲実る 生まりたる恩 故郷ぬ情」の一首を取り入れた。パッケージデザインやPR動画のBGMも奥間さんが手掛けている。

 咲元酒造の従業員は2人。奥間さんは、酒蔵としての生き残りを模索する中で見えた課題や、地域のブランド米の認知度向上を目指す農家の思いがマッチした商品だと強調し「今後も地域とともに、地域に根差した酒造りに尽力したい」と話した。売り上げの一部は村安富祖の生産農家に寄付する。

 (當山幸都)