2026年度の導入に向けて議論が進む宿泊税を巡って県は、県と独自導入予定の5市町村の配分割合を県2、市町村3とすることで調整を進めている。市町村側が求める県1、市町村3の割合ではないものの、この案に理解を示す自治体もあり、平行線が続いていた議論が動き出した。
独自で宿泊税を導入する石垣市、宮古島市、本部町、北谷町、恩納村との配分について、県は1対1を提案していたが、市町村側はより税収が見込める1対3を求めていた。今回県が宿泊税検討委員会に提案する2対3は折衷案となる。
県はこれまでに独自導入を予定する五つの市町村へ直接説明に出向いており、検討委員会が開かれる14日までに理解を得たい考えだ。
県案の2対3で配分する場合、導入する5市町村は徴収した税収のうち4割を県に納め、残りの6割を独自財源として使用できる。県は独自で宿泊税を導入しない36市町村には、交付金か補助金の形で県1、市町村1で配分する案を維持する。
各市町村の宿泊施設の収容人数を基にした県の試算によると、県と5市町村が徴収した全体の77億円のうち、5市町村の税収は19億800万円。残りの57億9200万円から県が他の36市町村に分配する22億6千万円を引いた、35億3200万円が県が広域事業に充てる分となる。
市町村との税配分などの県案について本部町の平良武康町長は「議論がもたついて導入が遅れれば、県益としての損失は膨大だ。スピード感を持ってスケジュール通りに導入するのが最も重要なことだと思っている」と受け入れる考えを示した。「県の広域事業の中でも、観光地をリードするわが町への支援についても議論したい」とも語った。
北谷町の渡久地政志町長は「前向きに検討している」と述べた。「多くの市町村に広げることで県全体の観光の質が上がる」として、宿泊税の導入時期に区別をつけず、全ての市町村に同一の割合で配分を実施する県の姿勢を評価した。
(與那覇智早、金盛文香)