教職員の精神疾患による病休者の増加が止まらない。文科省の調査では2022年度、県内は前年に比べて30人増え229人で過去最多となった。
22年度は新型コロナウイルスの感染者が爆発的に増え、学校でも対策に追われた。過度な負担を背負い心身をむしばまれた教職員が相次いだ可能性がある。
ただ精神疾患による病休者はコロナ以前から増え続けている。教職員の業務量の軽減など働き方改革、メンタルヘルス対策など抜本的な取り組みの遅れも一因だろう。
県教職員組合(沖教組)と連携して教職員のメンタルヘルス対策に携わる民間企業BowL取締役の徳里政亮さんは「教職員からの相談件数は増加し続けている。深刻化してから相談する人が多い」と指摘する。教職員が少しでも不調を感じた時に予防的に相談でき、メンタルケアの助言を受けられるような環境が十分に整備されていれば休職を避けられた可能性もある。
県教育委員会は23年4月に働き方改革推進課を新設し、病休者の原因を分析しながら、病休に至らないよう初期対応を重視した相談窓口の整備に取り組み始めた。市町村教委にも体制づくりを呼びかけている。
精神疾患を理由に休職した教員の割合が全国で最も多い沖縄。この現状を変えるには、各学校へ相談窓口の整備が進むかが鍵となる。
(嘉数陽)