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心がひとつに 小那覇涼子(生徒サポーター)<未来へいっぽにほ>


心がひとつに 小那覇涼子(生徒サポーター)<未来へいっぽにほ>   小那覇 涼子
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 一つしかない私たちの星を守りたい…。

 「瑠璃色の地球」は松田聖子さんが1986年に歌い、全世界が新型コロナウイルスの脅威に晒(さら)される中、再び注目された曲である。

 青く瑞々(みずみず)しい混成合唱団の歌声が広いホールの隅々に、観客の心に届く。壇上にいる31人のシルエットがくっきりと浮かび上がり、生徒らの真剣なまなざしは指揮者のみに注がれている。

 3学年主任のN子先生も興奮気味に話されていたが、毎年合唱を行っている中においても、本年度はあまりの素晴らしさに鳥肌が立ちっぱなしだった。

 しかしどうしても壇上へ上がれない子もいて、会場の最後列にまとまって座ることになる。この日、私もサポーターとして数人の生徒に寄り添っていた。

 合唱コンクールという最高の舞台をクラスのみんなと共に参加させてあげたいと、ギリギリまで立ち位置を決めて声掛けをされる先生方の情熱、溢(あふ)れる想いが伝わってきたが、ここにいるだけでも精いっぱいの生徒たちである。

 ふと見ると自分のクラスが歌っている間、胸のあたりで手を組み、うまくいきますようにと祈っている子がいた。自分は向こうへ立てないけれど一緒に参加しているという気持ちが真剣な表情に表れていた。その生徒のクラスは先の曲で見事金賞に輝いた。舞台と観客席で、心をひとつにして勝ち取った賞だと思っている。

 余談だが、この曲を誰が歌っていたのか最近まで知らなかったという若い先生もいたようだが、デビュー当時からファンの私は一人娘が偶然にも松田聖子さんと同じ誕生日となった時はひそかに悦(よろこ)んだ。