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【全国高文祭】 心一つに作り上げる 南風原 伝統行事「津嘉山大綱曳き」 八重山 「あんぱるぬみだがーま」 郷土芸能 沖縄


【全国高文祭】 心一つに作り上げる 南風原 伝統行事「津嘉山大綱曳き」 八重山 「あんぱるぬみだがーま」 郷土芸能 沖縄 本番に向けて意気込む南風原の生徒ら
この記事を書いた人 Avatar photo 高橋 夏帆

 「集え青き春 漕(こ)ぎ出せ知の筏(いかだ) 水面(みなも)煌(きら)めく清流の国へ」をテーマに第48回全国高校総合文化祭が31日~8月5日、岐阜県内で開かれる。文化庁、全国高校文化連盟などが主催。沖縄県からは郷土芸能や器楽・管弦楽、放送など、15部門に252人が参加する。「文化部のインターハイ」とも呼ばれる芸術文化の祭典で、生徒らは日頃培った力や技を発揮する。本番に向けて意気込む高校生を紹介する。


 郷土芸能部門は南風原と八重山が出場する。3年前の全国高文祭は南風原が最高賞に当たる最優秀賞、八重山が優良賞だった。再び頂点を目指す南風原は、地元・南風原町津嘉山の五穀豊穣(ごこくほうじょう)と無病息災などを願う伝統行事「津嘉山大綱曳(ひ)き」を題材に演舞する。南風原は例年、宮廷舞踊を披露してきたが、地元に恩返しがしたいと今回の高文祭では地元の伝統行事を題材にした。

 行事の大綱曳きは27、28日、21年ぶりの開催となる。主将で3年の大保舞紗(まいしゃ)さん(17)は「同じ年に披露できるなんて運命のよう。日本一を取る、大会で勝つとの思いで綱を引いている」と思いを語る。

 13分間の上演時間で地域繁栄の拝みや、東と西の旗頭を先頭に鉦鼓隊(しょうこたい)や女踊りが列になって会場に歩くスネーイ、棒術の演舞、綱曳き、川に手綱を流して豊作の祈りを捧げるまでを表現する。大綱曳きが、拝みに始まり拝みに終わることから、山城園代教諭が演目名を「御願綱(うがんぢな)」と名付けて披露する。

綱を引く様子を山城園代教諭から教わる生徒ら=16日、南風原町の南風原高校

 演舞は昨夏から題材に取り組み、映像を見るなどして作品を作っていった。県高文祭で全国大会の出場を決めた後、今年1月に大綱曳きの開催が決定した。

 生徒は女踊りの練習やわらを編む綱打ち、津嘉山大綱曳きに参加して演舞に生かす。2年の上原ノアさん(16)と1年の歌乃さん(15)の姉妹は南風原町出身。地元の住民から棒術も教わった。ノアさんは「沖縄代表で津嘉山の綱曳きを披露できて誇らしい」と話し、歌乃さんは「迫力ある棒術の演技がしたい」と語った。大保さんは「地元の方々の熱気を間近で見られて気が引き締まる。心を一つに作品を作り上げたい」と意気込んだ。

 郷土芸能部門に出場する八重山は、演目「あんぱるぬみだがーま」を発表する。

 (高橋夏帆)