「最後の被爆地に」との願いの下、平和の祈りに包まれた長崎。原爆の実相を学ぶため、現地を訪れていた北谷町の中高生9人は、県民からの聞き取りや全国の学生との交流を通し、「私たちが平和をつくっていく」と非戦の誓いを固くした。
北谷町が実施する平和事業の一環。初めて長崎を訪れた北谷中3年の菊地紗波(すずは)さん(14)は沖縄とは異なる戦争の歴史に触れ、「教科書では学べなかった怖さがあった」と語る。原爆投下の午前11時2分、「長崎の鐘」の音に合わせた黙とうで「この悲劇を最後にし、二度と起こさせません」と心を込めた。
生徒たちは、全国の中高生らと学びを深める「青少年ピースフォーラム」にも参加。世界の核兵器の現状を知り、桑江中2年の仲地舜羚(しゅんれい)さん(13)は「戦争がすぐ近くに感じ、大切なものを一瞬で失うことを繰り返してはいけないと強く感じた」と話した。
記念式典が中継された長崎市の出島メッセで、参列者から「対話による平和な世をつくってほしい」との思いを託された生徒たち。北谷高3年の奥間きららさん(17)は「聞いて終わりではなく、行動に移す。朝昼晩、ご飯を食べ、ゆっくり寝られる日常を大切にするため、沖縄も、長崎、広島の話も語り継いでいく」と決意した。
(新垣若菜)