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スポーツが「私の人生に光」 全国高校生作文コンテスト、平田さんに最優秀賞 鏡が丘特支2年生 沖縄


スポーツが「私の人生に光」 全国高校生作文コンテスト、平田さんに最優秀賞 鏡が丘特支2年生 沖縄 グランプリに輝いた平田青さん(前列中央)と母の浩美さん(後列右)、鏡が丘特別支援学校と大阪経済大学の関係者ら =10日、浦添市の鏡が丘特別支援学校
この記事を書いた人 Avatar photo 外間 愛也

 高校生が今の思いを文章で表現する第24回高校生フォーラム「17歳からのメッセージ」(大阪経済大学主催)で、浦添市の鏡が丘特別支援学校2年・平田青さんの作品「人生の光」が全国426校2万8976点の中からグランプリに輝いた。県内でグランプリは4人目で、特別支援学校では初。宜野湾市の普天間高校3年の大城ゆいさんの作品「青春」は金賞に輝いた。

 平田さんは三つあるテーマの中から「自分にとって『スポーツ』とは」を選んだ。3歳で進行性筋ジストロフィーを発症し、小学5年生ごろから車いす生活だった平田さんにとって「スポーツは他人のもの」で、「障がい者には権利も舞台も用意されていない」「パラリンピアンはけがを負いパラリンピックに出場せざるを得なくなったスポーツマン」と考えていた。

 平田さんを気にかけた両親が部活動に力を入れている鏡が丘特支への入学を勧めてくれたことで、人生で初めてスポーツに挑戦しようと決め、ボッチャ部に入部。競技の魅力にはまり、仲間との練習を楽しみ、全国大会出場の選抜メンバーに選ばれるまでに成長した。

 「魂を込めて1球1球を投げる私にとって、スポーツは『自分のもの』になっていた」「私の人生に光を当てる存在がスポーツだ」とまで感じるようになったという。

 将来の夢は新聞記者という平田さん。グランプリの受賞に「うれしい気持ちでいっぱい。今後もボッチャを続け、スポーツも勉強も頑張っていきたい」と熱く語った。

 母の浩美さん(46)は作文を通して初めて息子の思いを知ったという。「本人の心の奥にある強い思いを感じた。つらさや苦しさを乗り越え頑張っている姿をうれしく思う。今後も親として最大限のサポートをしたい」と目を細めた。

金賞の大城ゆいさん(左から2人目)と銀賞の吉村たまきさん(同3人目)ら=10日、宜野湾市の普天間高校

 大城さんの作品はきらきらとした「青春」を楽しむ同級生に違和感を覚えた経験を紹介。「部活に行事に楽しんだ学校生活も、孤独だった学校生活も、私のように自分の心と周りのズレに葛藤した学校生活も、青春なのだ」「完璧でなくそれでいて美しいのが青春だ」とつづった。

 県内のほかの受賞者は次の通り。 (敬称略) 【銀賞】吉村たまき(普天間3年)、下地瑠花(宜野湾2年)、濵田芽愛(具志川2年)【奨励賞】具志川結(北部農林2年)、宇座瑠音(陽明2年)

 (外間愛也)