県立中部農林高校定時制農業科4年の山城結真琉(ゆいまる)さん(18)はこのほど、化学薬品や可燃物などの取り扱いに関する国家資格の危険物取扱者試験乙種1~6類の全種試験に合格し、免許を取得した。
高校在学中の乙種全種の合格は珍しいという。「ニトロとか非日常的な知識が入ってきて面白い。ほとんど楽しさでしたね」と学ぶ喜びを糧にこつこつと勉強し、実現した。
教員に勧められて1年時から取得を目指した。1類当たり20~30時間をかけて寝る前などに勉強した。消防法が関わり合格率が25%ほどの4類を皮切りに、3年時までに全ての試験に合格。最難関の甲種とほぼ同等の効力があり、社会に出る際の強みとなる。「免許状も来るので達成感がある。好きなことはただ好きで、やり遂げたという感じ」と振り返る。
定時制農業科学科長の桑江司教諭は「自分でやると決めたことは徹底的に集中する。かなり意識を持って勉強したと思うし、なかなかできることではない」と努力をたたえた。
農業と危険物の“二足のわらじ”に飽き足らず、山城さんは今、電気工事士、毒物劇物取扱者の免許取得を目指して勉強中だ。将来は「まだ決まっていないけど、何かを自立的にやりたい」としっかりと見つめる。
卒業後は琉球調理師専門学校に進学予定だ。「得意ではないが、料理は好きで学んでみたい。頭が柔らかいうちにいろいろ挑戦したい」。 桑江教諭に贈る感謝の料理は「何を混ぜましょうかね」とにやり。恩師も隣でうれしそうに笑った。
(石井恭子)