オリジンコーポレーション所属のお笑い芸人で役者のベンビーが4月から、活動拠点を東京に移す。県内のテレビやラジオでもおなじみで、近年では沖縄を舞台にした映画やドラマにも出演していた。活動当初からの目標「全国で売れる」を目指し、50歳を目前にしたベンビーの挑戦が始まる。
ベンビーは2000年9月に26歳でオリジンに加入し、芸歴は約23年。テレビやラジオに出演する傍ら、映画「ミラクルシティコザ」(22年、平一紘監督)やWOWOWの「連続ドラマW フェンス」(23年、松本佳奈監督)に出演するなど、近年は役者としての活躍も目覚ましい。
芸人を始めた頃から「全国で売れる」ことが目標だったベンビーにとって、東京行きは「既定路線」という。沖縄で活動しながら東京行きを狙い続けていた。このタイミングで決めたきっかけは、昨年8月に受けた演劇ワークショップだ。「東京の第一線で活動する指導者に、意識していない部分を指摘された。沖縄ではもう誰も指摘しない。気付けない。東京に出ないといけないと思った」。東京では役者を中心とした活動を描く。それは「演技をしているとわくわくする」と直感も大きい。ドラマ「フェンス」への出演もきっかけの一つになった。
1月27日のオリジン「喜笑転決ライブ」での発表から1週間以上たった今も、驚いた知人からの連絡が絶えない。「周囲には『全国で売れる』とずっと言ってたけれど、みんな冗談と思っていたのかも」
現在49歳。“アラフィフ”での挑戦にも反響は特段に大きいが、「年は特に気にしていない」と淡々としている。
「これまでの沖縄で経験があったから『仕上がりました、ベンビーです、どうですか』と言える。それに、若くで売れてその後が続かなくて尻すぼみの人生よりも、ずっと夢を追い続けている方が楽しい」
東京での予定はまだ詳しくは定まっていない。「動いてみて駄目になっても、何かが生まれるなら失敗じゃない。それに自分の直感には自信がある」と晴れやかだ。沖縄を離れることにさみしさは隠せないが、意気込みを見せた。「つながりが切れるわけではない。『ベンビーが全国ネットの番組に出てる』と喜んで見てもらえるように頑張りたい。『世界のベンビー』になります」
(田吹遥子)