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“音楽の甲子園”でも「沖縄旋風を」 興南高校「クレイジーキャッスル」挑むグランプリ きょう7日最終審査


“音楽の甲子園”でも「沖縄旋風を」 興南高校「クレイジーキャッスル」挑むグランプリ きょう7日最終審査 クレイジーキャッスルの(後列右から)ヤマグチ、Tsubasa、RISA、Tadaaki、(前列)KARIN=7月24日、那覇市の興南高校
この記事を書いた人 Avatar photo 嘉手苅 友也

 沖縄県の興南高校軽音部に所属する3年生5人組バンド「Crazycastle(クレイジーキャッスル)」(クレキャス)が8月7日、音楽の甲子園とも呼ばれる「閃光ライオット2024」のファイナルステージに出演する。

 閃光ライオットはラジオ番組「SCHOOL OF LOCK!」などの主催。全国からエントリーした10代アーティスト3078組から勝ち残った10組が、15分間のライブ審査に挑む。メンバーは、グランプリを取り「日本中に沖縄旋風を起こせるようなバンドになりたい」と夢への道筋を語る。

オレンジレンジ主催「テレビズナイト024」で演奏するメンバー(撮影:Satoshi Saijo)

 メンバーはRISA(ギター・ボーカル)、Tadaaki(ベース・ボーカル)、ヤマグチ(ギター)、Tsubasa(ドラム・ボーカル)、KARIN(キーボード)の5人。興南中からの同級生で、中学2年生の時に「3年生を送る会」を目的に結成された。

 沖縄の同年代のバンドは「King Gnu」など県外アーティストのコピーをやっていることが多いが、クレキャスは県出身の「ORANGE RANGE(オレンジレンジ)」や「モンゴル800」などをコピーして活動していた。高校2年で初めてオリジナル曲「アイモヨウ」を作り、昨年の閃光ライオットにエントリーしたが、結果は2次のスタジオ審査落ち。Tadaakiは「自信がぶっ壊された」と振り返る。

 昨年9月の学園祭「興南祭」で、実行委員長を務めたRISAがテーマソングを作ろうと呼びかけ「オレンジハーツ」ができた。興南祭のPRで出演したラジオで曲が流れると、反響が広がった。実際の興南祭のステージでも1500人の生徒を沸かせ、さらに先輩らのライブにも呼ばれるようになりその名が知られていった。

 「閃光ライオット2024」にエントリーしたのは今年3月。来年受験を控えるメンバーだが、顧問で元バンドマンの圓城寺佑貴さんから「受験はいつでもできる。バンドは生もの」という言葉を聞いて、クレキャスの名を広めた「オレンジハーツ」での挑戦を決めた。メジャーデビューを目指していた先生の分まで夢をかなえたいー。「一つの目標になった」とヤマグチは語る。

ラジオの生放送で審査結果を知らされ喜ぶメンバーら

 顧問の圓城寺さんは、クレキャスが中学時代にはドラムを担うなど、発足時からメンバーに寄り添ってきた存在で、バンド名の由来にもなっている。圓城寺さんの破天荒な一面から「Crazy」を、城という漢字から「castle」をとったという。

 閃光ライオットへのエントリー後、オレンジレンジ主催の「テレビズナイト024」やHY主催の「SKY Fes」の後夜祭にも出演して場数を踏み、手応えも一気に加速していった。

 6月の東京での3次審査には38組が進み、10分間の有観客のライブ審査でクレキャスは「オレンジハーツ」に加え新曲を歌った。結果発表は7月10日のスクールオブロックの生放送で。テレビ電話をつなぎ待ち構えたメンバーたち。番組後半で名前が呼ばれると叫び喜んだ一方、自信もあったので「呼ばれて当然」だと冷静になったともいう。

HY SKY Fes後夜祭でステージに立つメンバー=5月

 当初「夢はメジャーデビュー」と公言していたのはKARINだけだった。今や「青春をしたいといって挑戦を始めた閃光ライオットだけど、本気でやっていたら“甲子園”に出られ、(次は)メジャーデビューと目標が大きくなった」と口をそろえ、「閃光ライオットからプロになった人もいる。チャンスをつかみたい」と一致団結してグランプリを目指す。

 会場は国内最大級のライブハウス「Zeppダイバーシティ東京」で、出演は7組目。「SCHOOL OF LOCK!」の公式YouTubeでライブ配信もある。8組目にはオーディエンス投票で選ばれた県出身のシンガー・ソングライター友利あゆも出演する。

 興南高校で合言葉のように使われている「南を興せ」は、オレンジハーツのサビにも歌われている。8月7日は高校野球の開幕日。県内屈指の強豪で今大会も沖縄代表として出場する野球部とともに、鮮烈な風を吹かせたい。

(嘉手苅友也)