【名護】日本生まれの総合格闘技「修斗」で、沖縄県内初の女性プロシューターが誕生した。名護市在住の小生由紀さん(37)は、2019年の全日本アマチュア修斗選手権大会の女子アトム級で3位入賞を果たし、日本修斗協会のプロ資格を獲得。市内で夫の隆弘さん(37)と運営するジムで女性限定の朝活クラスを開くなど「格闘技の敷居を低くし、気軽に楽しめるスポーツにしたい」と思いを語る。
父親がテレビでよく見ていた格闘技。リング上で繰り広げられる多彩な技に、いつしか夢中になっていた。「憧れから挑戦したい気持ちへと変化していった」と振り返る。だが、実際に競技を始めるまでには時間がかかった。「女性1人でジムに行く勇気が出せず、足踏みしていた」。友人に相談すると、否定的な声も聞こえてきた。
それでも挑戦したい気持ちを貫き、2012年から名桜大学柔道部の稽古場で週に2度、有志が集いサークル感覚で練習を開始。グラップリングやキックボクシング、ブラジリアン柔術に挑戦し、「楽しくてやめられなくなった」と魅了されていった。
本島北部には総合格闘技などを学ぶ環境がなかったため、16年6月に隆弘さんが代表を務めるグランドスラム沖縄A・P・Pを市港にオープンした。格闘技歴は足かけ7年。「プロシューターとしてデビュー戦を飾れるよう、できるところまで挑戦したい」と目標を語る。
自身の経験から、興味のある人が気軽に格闘技を始められる環境づくりを目指している。「怖いというイメージを払拭(ふっしょく)し、誰でも楽しめる生涯スポーツとして広めていきたい」。プロ選手とトレーナー、両方の立場から挑戦を続けている。
(吉田早希)