沖縄県が2月中に遺骨収集へ 糸満市米須、辺野古埋め立て利用の土砂採掘予定地  


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糸満市の魂魄の塔近くの土砂採取の中止を求める沖縄平和市民連絡会の高里鈴世代表世話人(左から3番目)らと対応する県の担当者ら(右列)=12日、県庁

 沖縄戦戦没者のものとみられる遺骨が見つかった糸満市米須の土砂採掘予定地での遺骨収集について、県は2月中の実施に向けて調整していると明らかにした。県の戦没者遺骨収集情報センターを中心に国、糸満市、採石業者と調整しているという。12日、沖縄平和市民連絡会の要請に対し、県保護・援護課の大城清剛課長が答えた。

 大城課長は「1、2回で完了ということはない」と述べ、確度の高い情報が得られれば、遺骨収集をボランティアなどに依頼することも検討する考えを示した。採掘予定地に隣接するシーガーガマについても遺骨の調査を検討する必要があるとの認識を示した。

 沖縄戦跡国定公園内の米須の土砂採掘予定地では、沖縄総合事務局から鉱山権の許可を受けた糸満市の業者が昨年10月、森林を伐採して採掘準備を始めたが、11月に遺骨収集ボランティアが遺骨を発見した。業者は現場を立ち入り禁止にし、自ら遺骨収集する考えを示したが、県に自然公園法に基づく開発の届け出をしていなかったことが判明し、土砂採掘の準備を中止して開発の届け出をした。

 本島南部の土砂採取を巡っては、沖縄防衛局が辺野古新基地建設の埋め立てに使う計画で、遺骨収集の関係者などから批判が高まっている。

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