「パートナー墓」性別を問わず愛する人と…普天満山神宮寺が開苑


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パートナー墓を開苑する普天満山神宮寺の金城良啓住職。左側が最大2人で納骨できるパートナー墓(樹木墓)、奥は永代供養塔=1日、宜野湾市の普天満山神宮寺

 【宜野湾】宜野湾市の普天満山神宮寺は3日、性別を問わず最大2人で納骨できるパートナー墓(樹木墓)を併設した、寺院管理型の総合墓苑「補陀落」(ポータラカ)を開苑する。室内墓や一時預かり用納骨壇など多様なタイプの墓456基を備える。寺院が墓の管理を請け負い、継承問題を気にすることなく参拝することができる。

 普天満山神宮寺は2020年8月に性的少数者に開かれたLGBTフレンドリー寺院を宣言し、性の多様性尊重を示すレインボーフラッグを入り口に掲げている。パートナー墓は屋外に45基完備した。LGBTの当事者だけではなく、夫婦や親子、友人同士なども納骨することができる。

 金城良啓住職(45)は「多種多様な価値観とともに、納骨のスタイルも変化しているが、継承や維持管理などの問題があった。望む相手と安らかに眠りたいという思いを大切にしてあげたい」と語る。同墓は、従来の墓に比べて費用も低額で経済的負担も抑えることができるという。2人目の納骨後、13回忌を迎えると、境内にある永代供養塔で管理する。

 そのほか、天候を気にせずに参拝ができる88基の室内墓や清明祭の会食に利用できる庭もある。仏事や墓、位牌(いはい)継承の不安や悩みの相談も受け付けている。金城さんは「故人が安らかに眠り、家族が安心して参拝できる場所にしたい。事前予約も可能なので、ぜひ気軽にご相談ください」と呼び掛けた。問い合わせは、普天満山神宮寺(電話)098(892)3335。

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